歯の痛み・歯茎の痛み

歯の痛みは大きく2つに分けられます。1つは歯そのものが原因（むし歯など）で起こる痛み、もう1つは歯茎や周辺組織（歯槽骨や歯根膜など）の炎症からくる痛みです。同じように「歯が痛い」と感じても、患者様お一人おひとりで原因や症状の出方が異なります。適切な治療を進めるためには、痛みの性質や場所を丁寧に確認し、慎重に検査・診断を行うことが大切です。

考えられる原因

• むし歯
• 歯周病（歯茎の炎症）
• 親知らずの腫れ・炎症
• 噛み合わせの不調和
• 外傷や過度な力による歯根のトラブル

当院での対応

• 精密検査（レントゲンや口腔内検査など）を行い、原因を特定します。
• 痛みや症状に合わせた適切な治療（むし歯の治療、親知らずの抜歯、噛み合わせ調整など）を行います。
• 再発防止のためのケア指導（ブラッシング指導や生活習慣の改善）を行います。

歯の着色・変色が気になります

「歯の色が黄ばんでいる」「黒ずんで見える」など、歯の色に関する悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。コーヒー・赤ワイン・お茶などの色素が強い飲み物を頻繁に摂取することで起こる着色や、加齢・喫煙・服用している薬の影響など、原因は様々です。歯の色が気になる場合は、まず原因を見極め、適切なケアや治療法を選択することが大切です。

考えられる原因

• 食習慣（コーヒー、赤ワイン、カレーなどの色素）
• むし歯の進行による変色
• 修復した金属の酸化物沈着（メタルタトゥー）
• 加齢による歯質の変化
• 喫煙（ヤニの付着）
• 薬の副作用（抗生物質の一種であるテトラサイクリン系抗生剤の服用など）

当院での対応

• 問診と口腔内診察により着色や変色の原因を特定し、説明します。
• 歯面清掃（保険診療の着色除去）やPMTC（自費診療の着色除去）などのプロフェッショナルクリーニングにより、症状に合わせた治療方法をご提案します。
• むし歯を取り除き、歯科用プラスチック（レジン）で詰めたり、白い被せ物の治療を行います。また、患者さまの意向により、保険診療や自費診療の選択をお伺いします。
• メンテナンス指導（飲食の注意点やブラッシング方法）を行います。

歯が欠けてしまった

歯が欠けてしまうと、見た目が気になるだけでなく、食事中に食べ物が挟まりやすくなったり、とがった歯の一部が口腔内や舌を傷つけてしまうリスクが高まります。また、放置するとむし歯の進行や歯周病の原因になる場合もあります。欠けた部分の大きさや場所によって治療方法は異なりますが、速やかに受診いただくことが重要です。

考えられる原因

• 外傷（殴打や転倒による強い衝撃など）
• 歯ぎしりや食いしばりによる負荷
• 詰め物やクラウンの経年劣化
• 加齢による歯質の弱化・破損
• 噛み合わせの不良

当院での対応

• 欠けた歯の状態を診断し、レントゲンなどで骨や歯根の状態も確認します。
• 欠け方に応じた詰め物（インレーやレジン）・クラウンなどで修復いたします。
• 必要に応じて噛み合わせの調整、歯ぎしり対策（スプリントの作製）を行います。
  ※スプリントは、マウスピースとも言います。

歯が抜けてしまった

歯がぐらついている、もしくは突然抜けてしまった場合は、速やかな受診が望ましいです。歯が抜けた部分をそのままにしておくと、噛み合わせが乱れたり、隣の歯が移動してしまうことでさらなるトラブルを招きかねません。また、見た目や発音にも影響が出ることがあるため、早期の対応が重要です。

考えられる原因

• 歯周病による歯茎や骨のダメージがある場合
• 外傷や強い衝撃を受けた場合
• 噛み合わせの悪さによる過度な力が加わった場合
• むし歯の重症化
• 加齢による歯槽骨の吸収

当院での対応

• 抜けた原因を突き止め、再発を防止するための治療（歯周病治療、噛み合わせ調整など）に努めます。
• 突然の事故による外傷で抜けた場合、新鮮な状況（抜けた歯を軽く汚れを落とし、お水に入れて）速やかにお持ちいただければ、再植処置にてもとにお戻し出来る場合があります。当院へ連絡いただき、細かい指示を受けてからお越しください。
• 欠損部位への対処（ブリッジ・入れ歯・インプラントなど最適な補綴治療）をご提案いたします。
• 毎日の正しいブラッシングを身に付けて頂きます。また、定期的なメンテナンスの重要性をご理解いただきます。

口内炎が気になります

口の中に痛みを伴う白い斑点や潰瘍ができた状態を「口内炎」といいます。免疫力の低下やビタミン不足、ストレスなどが主な原因ですが、ウイルスや細菌感染によるもの、あるいは歯の詰め物などが擦れて起こる場合もあります。症状が長引いたり、繰り返し起こる場合は早めに受診し、適切な治療と生活習慣の見直しが必要です。

考えられる原因

• 免疫力の低下
• ビタミン不足（特にビタミンB群）
• ストレスや睡眠不足
• 物理的な刺激（詰め物の不適合、被せ物の形状など）
• ウイルスや細菌感染

当院での対応

• 口腔内環境や全身状態に関して問診いたします。
• 必要に応じた塗り薬やうがい薬の処方をいたします。
• 被せ物や詰め物が原因の場合、説明ご理解の上、調整や作り直しを行います。
• 生活習慣を鑑みて、栄養指導などお話します。

歯並びが気になります

歯並びの乱れは、見た目のコンプレックスを感じる上、むし歯や歯周病、顎関節症などのリスクが高まる要因にもなります。歯並びの悪化には、遺伝的な要因だけでなく、むし歯や早期の乳歯喪失、舌癖や噛み合わせの問題など様々な要因が関わっている場合が多いです。

考えられる原因

• 遺伝的要因
• むし歯・歯周病による歯の移動
• 噛み合わせの悪さ（上下の歯が正しく噛み合わない）
• 乳歯が早期に抜ける・長期に残ることで生じる歯並びの乱れ

当院での対応

• 気になる症状に対する治療の方向性や、期間など相談の説明を行います。
• 歯列矯正の専門的診断（レントゲン・口腔内スキャンなど）などいたします。
• 部分矯正や全体矯正など、ライフスタイルやご希望に応じた矯正方法のご提案や、具体的な治療期間、費用の説明を行います。
• 現在の噛み合わせを総合的に考慮し、成長に伴ったり、想定しうる治療計画の説明を行います。

歯ぎしりが気になります

歯ぎしりとは、就寝中に無意識に歯を食いしばったり、上下の歯を擦り合わせたりする状態をいいます。過度なストレスや噛み合わせのズレが原因となることが多いですが、中にははっきりとした原因が見つからないケースもあります。歯ぎしりを放置すると、歯の摩耗や知覚過敏、顎関節症などを引き起こす可能性があるため、早めの対策が大切です。

考えられる原因

• ストレスや不安
• 食いしばりの癖
• 噛み合わせの不良
• 睡眠時の呼吸障害（睡眠時無呼吸症候群など）

当院での対応

• 噛み合わせの診察とストレスなど生活背景の問診を行います。
• 症状に応じて、お一人おひとりに適したオーダーメイドのスプリント（ナイトガード）の作製を行います。
  ※スプリントは、マウスピースとも言います。
• 必要に応じて、噛み合わせの調整をしたり、矯正治療の必要性をお話しいたします。
• みなさんが抱えているストレス環境をお伺いし、出来る限り治療に反映できるよう努めます。

口臭が気になります

口臭は、むし歯や歯周病、歯垢や歯石の付着、食べかすの放置だけでなく、口の中が乾燥している場合や胃腸の不調、全身の病気など、多岐にわたる原因で発生します。自分では気づきにくいこともあり、人間関係や日常生活において大きなストレスになるケースもあります。

考えられる原因

• むし歯・歯周病
• 口腔内の清掃不良（歯垢・歯石）
• 加齢に伴う唾液分泌量の低下
• ドライマウス（唾液の減少）
• 胃腸や呼吸器系のトラブル
• 食生活や生活習慣

当院での対応

• 患者さまのご持病を考慮し、口腔内診査や唾液の分泌量の検査などを行い、口臭の程度と原因を分析しご説明いたします。
• むし歯や歯周病の治療、プロフェッショナルケアにより口腔内細菌の温床除去に努めます。
• 生活習慣や食習慣の見直しについて、問診いたします。
• 必要に応じて医科との連携（患者さま内科主治医受診など）を行います。

顎が痛く、動かしにくいです

顎の痛みや動かしにくさは、顎関節症や咀嚼筋の緊張、関節内部の炎症などが考えられます。口を開けにくい、開閉時に痛む、カクカクと音がするなどの症状がある場合は、放置せずに早めに歯科を受診しましょう。悪化すると、食事や会話などの生活動作に支障をきたす恐れがあります。

考えられる原因

• 顎関節症（関節ディスクのずれなど）
• 筋肉の緊張や炎症
• 噛み合わせの乱れ
• 歯ぎしりや食いしばりによる負担
• 気温の変化に伴う左右咀嚼筋バランスの不良

当院での対応

• 問診や顎関節の触診、また、聴診器による顎関節雑音の確認、顎関節症診察用のレントゲンなどで顎関節と筋肉の状態を精査し、診断結果を説明いたします。
• 筋機能療法や自宅で行えるマッサージ療法などをお教えし、患者さまに適した治療方法を提案し、症状の回復に努めます。生活環境の中で症状を強く認める時間帯にスプリントなどを使用する治療の提案もいたします。
• 痛みを強く催す時は、消炎鎮痛薬の処方も合わせて行います。
• 噛み合わせや歯ぎしり、生活環境における姿勢など、根本原因へのアプローチを試みます。

歯がしみます

冷たいものや熱いものを口にした時、「キーン」と歯がしみる経験はありませんか？ これは「知覚過敏」と呼ばれ、エナメル質や歯茎が何らかの原因で傷つき、内部の象牙質が露出している状態です。しみる痛みは一時的なものでも、放置すると日常生活に支障をきたす強い痛みを伴うようなむし歯などにつながる場合があります。

考えられる原因

• 加齢やブラッシング圧による歯茎の退縮による根面露出
• 歯ぎしりや食いしばりによるエナメル質の摩耗（擦れて、削れてしまうこと。）
• 酸蝕症（酸性の強い飲食物の継続的な摂取によるもの）
• 不適切なブラッシングによる歯頸部の摩耗（擦れて、削れてしまうこと。）
• むし歯の初期症状

当院での対応

• 歯茎の状態やエナメル質の摩耗度合いを診察します。
• 知覚過敏抑制剤の塗布や麻酔下でのむし歯治療などを行います。
• 正しいブラッシングの仕方をお伝えし、生活習慣の見直し（歯磨きの力加減や食事内容など）をお話いたします。
• 必要に応じてスプリントの作製（歯ぎしりによる摩耗を予防するための）を行います。
  ※スプリントは、マウスピースとも言います。

唇が荒れています・できものがあります

唇の荒れやできものは、口唇ヘルペスや口角炎など、ウイルス感染や栄養不足、物理的な刺激など多彩な原因が考えられます。軽度の場合は保湿や生活習慣の改善で治ることもありますが、慢性的に繰り返す場合や痛みが強い場合は、歯科や医科を受診して原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

考えられる原因

• ウイルス感染（単純ヘルペスウイルスなど）
• 口角炎（ビタミン不足、唾液の停滞など）
• 唇や口周囲の乾燥
• 刺激物質やアレルギー反応
• 過度なマスク着用やマスク内環境による蒸れ

当院での対応

• 症状や生活習慣をお伺いし、原因を検討（必要に応じて医科と連携）いたします。
• 保湿剤や外用薬の処方、出来る限りの栄養指導をお話します。
• 入れ歯や矯正装置などが刺激となっている場合の調整を丁寧に行います。
• 再発予防のための口腔ケアや日常生活アドバイスをお伝えしています。

顔の歪み・たるみが気になります

「左右の顎のラインが違う」「頬の高さに差がある」「口元の歪みが気になる」といった顔の歪みやたるみは、噛み合わせや顎関節の問題、咀嚼筋のバランスの乱れなどに起因する場合があります。放置すると見た目だけではなく、顎関節症状や肩こり、頭痛など全身への不調につながるケースも。歯科領域では、噛み合わせや咀嚼筋の状態を見直すことで、歪みやたるみの改善にアプローチできます。

考えられる原因

• 噛み合わせ不良による咀嚼筋のアンバランス
• 歯ぎしりや食いしばりによる過度な負担
• 顎関節症や姿勢の悪さ
• 加齢による筋力の低下、肌のたるみ

当院での対応

• 噛み合わせや顎関節の精査（レントゲン、咬合検査など）を行います。
• 必要に応じた歯列矯正や噛み合わせの調整を行います。
• 顎関節や咀嚼筋への物理療法（スプリント、リハビリテーション）を行います。
• 大学病院などの頭頚部外科との連携が必要な場合、ご紹介を承ります。